2024-01-01から1年間の記事一覧

皐月

鈴蘭の 芽のつんつんと 影法師

卯月

一本の 鉄路花野を 別ちけり

「おしまいの断片」

たとえそれでも、君はやっぱり思うのかな、この人生における望みは果たしたと?果たしたとも。それで、君はいったい何を望んだのだろう?それは、自らを愛されるものと呼ぶこと、自らをこの世界にあって 愛されるものと感じること。レイモンド・カーヴァー 村…

春分

大空に 辛夷まばゆし 呱々の声

弥生

ひな買ひに 二人の祖母や 昼の月 目を張って 雛の如くに 耐ふるかな

長田 弘

まだ失われていないもの何かがちがってくる。風があつまってくる。陽射しがあつまってきて、やわらかな影がそこにあつまる。見えないものがあつまってくる。ふと、騒がしさが遠のいて、そこから、音もなく明るい塵があつまってくる。すべてが、そこにあつま…

立春

野水仙 水辺の影の 踊り子たち水仙に 来る日来る日の 波の音 椿落つ 朝な夕なの 願ひごと逢ひにいく 気おくれ風の 落椿吾が影に 追われる日々の 落椿

如月

凍て解けの 径の奥がに 拗ねて棲む

星野富弘

見ているだけで何も描けず一日が終わったこんな日と大きなことをやりとげた日と同じ価値を見出せる心になりたい 花の詩画集「鈴の鳴る道」より

大寒

寒ざくら 海は風のみ 運びくる 寒の水 打つて灯ともす 小路かな かみしめて 無能の果ての 日向ぼこ死を思ひ 生また思ふ 日向ぼこ 冬蝶が 吾が影に来て 寄りにけり

睦月

落葉松の 山は斑雪に 昏るるなり雪谷を へだて落葉松 山暮るる

新年

冬空を 支えし枝の ますぐなる